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にあたり個別に北京との交渉が必要になっているため不透明な状況にある。そのため、建設開始は早くても1998年(平成10年)と言われている。
このような状況下、各コンテナターミナル会社は、現有設備のまま更新等を行うことで取り扱い能力を約3割向上させようとしている。同時に、コンテナターミナル会社や船会社は、中国南部の塩田、蛇口、赤湾といった港のコンテナターミナル開発に投資または資本参加し、貨物の分散化を進めている。
(3)シンガポール港
1993年(平成5年)12月に着工された開発計画は、4期30年に亘り実施される。現在、Pasir Panjang在来ターミナルの沖合を埋め立て、最新ハイテクコンテナターミナルを建設中である。このPasir Panjangコンテナターミナルの建設計画は、第1期工事と第2期工事が進行中である。第1期工事完成は1998年(平成10年)で、水深15メートルの5バースがオープン予定である。第2期工事は2008年(平成20年)完成予定で、全体で353ヘクタール、26バース、水深15〜17メートル、年間取り扱いコンテナ数1,800万TEUになる予定であり、最終的には50バース、年間取り扱いコンテナ数3,600万TEUの規模になる。ヤード内の作業は自動化される予定であり、トランステナーに替わって天井走行式クレーンが全面的に導入される。この天井走行式クレーンは三井造船が28基受注しており、1999年(平成11年)1月試運転予定で準備が進んでいる。
(4)釜山港
韓国の港湾では、コンテナ貨物量を処理する施設能力が大幅に不足している。その上、韓国政府の国策研究機関である「海運産業研究院」の推定によると、1995年(平成7年)度に492万TEUであったコンテナ取り扱い量が、2001年(平成13年)度には986万TEUへ、2011年(平成23年)度には1,923万TEUへ、2020年(平成32年)度には3,006万TEUへと増加することが予想されている。そこで、現在7バースしかないコンテナバースを2001年(平成13年)度までには合計46バース、2011年(平成23年)度までには合計105バース、2020年(平成32年)度までには合計174バース必要とされている。
韓国政府は現在、短期的な港湾整備を進めながら、中長期港湾整備計画にも取り組

 

 

 

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